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私の音。
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(SEASONS)私の音.txt (21:20 2005/05/11)
生まれて初めて、ロックンロールを耳に入れた日の事を覚えてる?
体の中に流れ込む、激しいリズムとメロディ。
耳障りだなんて言う人達もいるけど、私にとってはまるで自分が生まれ変わったみたいに衝撃的だった。
音楽を聴いて胸が熱くなるなんて、初めての体験だった。
カセットテープを何度も巻き戻して、同じ曲を一晩中聴いてた。
その曲が、私が生まれた頃に流行った曲だって知ったのは、ずっと後のこと。
今思えば、それは凄くシンプルで飾り気ないものだったけれど、どうしようもないくらいカッコ良かった。
―そこから、私の全てが弾けだしたんだ。
「響、何聴いてんだ?」
顔を上げると、そこには先輩の顔があった。
一体いつからそこに居たのだろう。
思ったより到着が早い所を見ると、掃除に日直、まるまる放り出して部室に来たらしい。
先輩より早く着いた私も、勿論その常習犯だった。
「ちっす!お疲れさまです」
「随分熱心に聞き込んでたじゃん。耳コピ?」
「いえ、いつもの奴をテキトーに」
先輩は鞄を床に下ろすと、私が腰掛けるギターアンプの隣に座り込んだ。
肩が触れそうな距離。その微妙な隙間に、私は内心あと1センチ右に座っておけば良かったと心の底から後悔した。
勿論、そんな事をしても何の意味は無いのだけど。
「どれ、ちょいと失礼」
私がイヤホンを外すと、先輩はそれをひょいとつまみ上げた。
「・・あ。」
そして、耳にそっと当て静かに口ずさみ始めた。
「あー、このバンドいいよな?古臭いけどさ、だからいいんだよな」
そう言って笑いながら、静かに歌っている。
左耳に聞こえるギター、すぐ傍に響く先輩の歌声。
一番大きな音が自分の胸から聞こえてくるのが恥ずかしかった。
それは、ほんの数分に過ぎないかもしれないけれど。
いつだって、あっという間に胸を熱くする。
マイライフ イズ ロックンロール。
いつだって、揺れてる。
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